近衛文麿元首相が命名したと言われる、渋谷と武蔵野を結ぶ「井ノ頭通り」

久しぶりの「道」シリーズの記事を書きます。今回は普段当たり前に利用していて、身近になりすぎていた道、「井の頭通り」を今一度クローズアップして走ってきました。

時は昭和13年10月。時の首相近衛文磨公がこの地を通った際に、未だ名前が無かったので井の頭公園へと繋がるこの道を、井の頭街道と命名したと言われています。

この「井の頭」の由来は徳川家光が、現・井の頭公園の場所に鷹狩りをしに訪れた際、湧水がほとばしるように出ているのを見て「井の頭」と命名したのだと言われています。実に直感的なネーミングですね。家光の人柄も現れているのでしょうか。

 

音楽好きとしては一度訪れてみたいスポット

通り沿いの代々木上原近辺には昭和期の代表的作曲家であり、ギタリストでもある古賀政男(1978年・没)の博物館があります。クラシックの正統派・藤山一郎から、歌謡界の女王・美空ひばりまで、その作品は5,000曲とも言われ、”古賀メロディー”として現代でも親しまれています。代表的な作品は「東京ラプソディ」「酒は涙か溜息か」等。何かアンニュイを感じてしまう曲名が多いですね。

そして、トップ画像の交差点「富ヶ谷」付近には僕もカットをしてもらっているハーレー乗りのオーナーが営むアンティークを基としたヘアサロン「Rachel」があります。

 

深みがある雰囲気で落ち着きを与えてくれる店内

 

コンパクトなナックルを駆る、オーナー鈴木氏

老若男女問わず、幅広い年齢層が訪れる同サロン。バイクに乗っている方なら情報交換もできますね。

ちなみに定休日は毎週火曜日・毎月第3水曜日。

 

富ヶ谷交差点 歩道橋上から代々木公園方面。

 

車通りが多くても、3〜4車線の恩恵でストレスなく走ることができるこの井の頭通り、未だ見ぬ沢山のショップやスポットが並んでいます。

程よい坂道もあり、運転自体も楽しめます。日常的に走っていますが「今」自分を取り巻いている身近な”環境”や”モノ”にも、あらためて疑問を持って接してみると違う事が見えてきて、趣深いものだなあと感じ、写真を撮っている時もこの記事を書いている時もとても有意義な時間でした。

余談ですが、それにしてもこのバイクに乗るようになってから本当に道行く人に声を掛けられたりする機会が増えました。この取材時にも通りすがりの二人に声をかけてもらい、あーだーこーだと井戸端会議。「井の頭」だけにタイムリーです。

 

cool bike!と話しかけてくれたオーストラリア人のスティーブンさん。

もう一人は85歳の陽気な元バイカーのおじいちゃんだったのですが、写真撮らせてもらえばよかったと後悔してます…。

 

何かと不便な事も多い旧いバイクですが、時代の流れや物の進化の過程で知らず知らずの間に失われてしまった、言葉では表し難い不思議な「魅力」や「奥行き」が詰まっているのではないかなと思います。「人は失ってからでないと分からない」とよく聞く言葉ですがこれは万物に通づるのかもしれません。でもきっとそこに人を惹きつける力があるんだと思います。僕自身も魅せられた一人でした。

それは、手書きの文から電子メールへと進化する過程で便利さと引き換えに失われてしまった「温かみ」のようなそんな儚い力なんじゃないかなあと、そう感じます。

これからもバイクを通して訪れる”一期一会”を想像するだけで、抑えられない高揚感が湧き上がってきます。

次回は山手通りか、日本橋あたりを走りたいなと思っています。思ったままにつらつらキーボードを叩いているだけですが、また読んでいただけると嬉しく思います。

 

参考 – Rachel

photo&writer     UP-SWEEP Muramatsu  large

DATE: UP-SWEEP Vol.32 CONTENTS

■価格:1,300円 ・BAD QUENTIN

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